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研究

脳疾患グループ

我々、脳疾患グループは「脳を知る」「脳を変える」「脳と向き合う」という観点から最新の電気生理学・脳機能イメージングの手法を応用したニューロリハ研究に取り組んでいます。

「脳を知る」ことに関して、古くはペンフィールドの時代から脳のどの領域にどういった機能が局在するのかという研究がなされてきました。近年、脳波や経頭蓋的磁気刺激法(Transcranial magnetic stimulation: TMS)などの電気生理学的手法、ポジトロン断層法(PET)や機能的MRIなどの脳機能イメージングの手法を用いることで非侵襲的に脳の働きと症状や障害との関連性を評価したり早期診断をすることが可能となってきました。例えば、漢字書字に必要な脳領域を調べるために機能的MRIとTMSを用いることで、左側頭葉後下部領域が必要不可欠であることが明らかとなりました(図1参照)。また、脳卒中による運動・言語機能障害のリハビリによる機能回復を、脳の機能的再構築の観点より機能的MRIを用いて評価することも可能となりました。


(図1)

「脳を変える」ことに関して、脳は以前に考えられていたよりも柔軟であり、小児期だけではなく成人となってからも脳の働きを変化させ得ることが明らかとなってきました。特に経験や学習により脳は新たな神経回路網(ネットワーク)を形成していくことが可能となります。例えば、脳損傷により一部の脳が機能をしなくなっても、損傷を免れた脳を含めた新たな神経ネットワークが形成され、機能的再構築が起こります。この様な脳の柔らかさを可塑性と呼んでおり、リハビリでの適切な訓練や学習は、脳の可塑性を誘導し、適切な神経ネットワークを再構築するのに重要となります。我々は、TMSや経頭蓋的直流刺激法(tDCS)を用いることで脳の可塑性を高めながら、より適切な神経ネットワークを再構築する新たなニューロリハビリテーションの開発研究を行っております(図2)。


(図2)

「脳と向き合う」ことに関して、脳の病気による障害は、高次脳機能障害、認知機能障害、言語障害、嚥下障害、運動機能障害と様々です。しかしながら、治療介入の終了後も障害が残存することが多く、患者さんはともすれば生涯にわたり自身の障害と向き合わなければなりません。その際に、身体機能の向上のみならず維持することも非常に重要となります。我々は、他大学や関連リハビリテーション施設とも連携し、機能保持や維持に必要なリハビリ機器の開発や、長期的視点に立った新たなリハビリテーションモデルの提案をしていく研究を行っております。

(文責 植木 美乃)